新日本プロレスが今期49億円の売上高を記録。なぜ、2017〜2018年に飛躍的な成長曲線を描いたのか

ブシロードグループ創設者である木谷高明氏のインタビューにて、新日本プロレスの売上高が過去最高となる49億円であることが発表された。

新日本プロレスの株式上場。もしこれが実現すれば、日本のプロレス団体にとってエポックメーキングな出来事となる。

スポーツ市場で捉えても、未来を感じさせる事例となるはずだ。

ここでは、ブシロードの買収以降の新日本プロレスが歩んだビジネス戦略を振り返ってみたい。

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6年で約4倍

下記のデータが新日本プロレスの売上推移だ。

  • 2012年:11億円
  • 2013年:16億円
  • 2014年:22億円
  • 2015年:27億円
  • 2016年:32億円
  • 2017年:38億5千万円
  • 2018年:49億円(今回の発表。計画では47億円だった)

右肩上がりを続ける売上高。その裏には間違いなくスター選手の登場がある。

オカダ・カズチカ選手が台頭したのが2012年。

AJスタイルズが新日本マットに上がったのが、2014年。

内藤哲也選手が“制御不能”になり、ロス・インゴ・ベルナブレス・デ・ハポンが始動したのが2015年〜2016年。

全世界で注目を浴びたオカダ選手とケニー・オメガ選手のイッテンヨンが2017年。

クリス・ジェリコ選手が新日本マットに凱旋したのが2018年。

新日本プロレスは常に新しい話題を提供し続けている。企業でいえば、継続的に新商品やサービスをリリースし、高い確度でヒットさせているということになる。

www.pwanalysis.com

詳細な情報はプロレス統計さんの記事に詰まっているのでこちらをお目通しいただきたい。

 

セルリアンブルーのマットから離れた選手

2016年の初頭に中邑真輔選手、AJスタイルズ選手、カール・アンダーソン選手、ドク・ギャローズ選手らが退団。海を渡り、WWEへと移籍を果たしている。スター選手の離脱は売上に直結する。

チケットやグッズの売上だけでなく、スポンサー獲得においても影響は大きい。

だが、内藤選手、ケニー選手が新日本プロレスの新しいスターとなることで、毎年5〜6億円の売上UPは継続した。それほどまでに、ファンは新しい刺激も求めていたのだ。

新日本プロレスワールドの検索画面

ある時期から検索画面で一番最初に表示されるタブが中邑真輔選手になった。

視聴数などのアルゴリズムを組み、タブの表示を自動化しているのであれば変な話である。

常にランキング上位は直近の試合。中邑真輔選手も人気があるにせよ、一番になるのは今の4強であるオカダ・カズチカ選手、ケニー・オメガ選手、棚橋弘至選手、内藤哲也選手(50音順)のはずだ。

そこで、英語版を見てみると少々面白い結果が出た。

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 出典:新日本プロレスワールド

中邑真輔選手に加えて4強までは英語表記が続くが、海外版にはCody選手やヤング・バックスの名前が並ぶ。そして、飯伏幸太選手の名前が日本語版と同様に存在している。

オカダ・カズチカ選手、ケニー・オメガ選手、棚橋弘至選手、内藤哲也選手、Cody選手、ヤング・バックス、飯伏幸太選手の8選手が新日本プロレスの海外戦略を担う選手だという見方もあるのだ。

日本担当・海外担当

新日本プロレスワールドの新規獲得を踏まえ、タブは構成されていると思う。ログイン・未ログインで調査したが、同等の結果で表示された。ユーザー毎で表示を変更するアルゴリズムは導入されていない。

つまり、新日本プロレスワールドとして、プッシュしている選手は以下になる。

  • 日本 鈴木みのる選手と髙橋ヒロム選手
  • 海外 Cody選手とヤング・バックス
  • 国内外 飯伏幸太選手

鈴木みのる選手の大海賊祭、Cody選手とヤング・バックスのALL INに新日本プロレスは、オカダ・カズチカ選手の出場を認めている。

飯伏幸太選手はALL INに出場した。パートナーはケニー選手とのゴールデン☆ラヴァーズではなく、ヤング・バックスだった。

棚橋弘至選手は主演映画の公開が迫っている。内藤哲也選手はメキシコに飛んだ。

この視点で見てみると、それぞれがそれぞれの個性を活かし、新日本プロレスを国内外で広める戦略に則って行動していることが分かるのだ。

そして、WWEでWWE US王座を戴冠した中邑真輔選手が結果を出せば出すほど、新日本プロレスワールドの価値は高まっている。

もしも、中邑真輔選手が帰ってきたら。海外戦略は更に加速の一途を辿るだろう。

退団した選手が検索のトップにいる。ちょっと普通じゃないこの結果を、どう見るのが正解なのだろうか。

 

上場は夢物語じゃない

新日本プロレスワールドの月額課金が、経営安定化や事業戦略の中でも最も大きなカギを握ってる。新日本プロレスでも動画の編集スタッフの採用を行っていることからも、この点は明らかだろう。

レスラー達が好勝負を重ねる。その価値をより世界に届ける。この繰り返しで新日本プロレスは成長を重ねてきた。また、2017年以降にはCSR活動も積極的に行っている

継続的な売上が健全経営の源泉

オカダ・カズチカ選手とのイッテンヨンで世界中に脚光を浴びたケニー・オメガ選手は2018年のイッテンヨンでクリス・ジェリコ選手と対峙した。この試合をキッカケに海外の新日本プロレスワールドユーザーは飛躍的に向上したという結果が、今回の成長曲線に直結していると言える。

新日本プロレスワールドのようなフリーミアムモデルにとって、会員継続こそが鍵を握っている。退会率が新規会員獲得率を上回らない限り、売上は毎月向上し続けることになる。

興行の日数が少ない、新しいグッズの売上が少ないシーズンでも新日本プロレスワールドの退会率が予想の範囲内であれば、新日本プロレスの成長は継続するのだ。

そして、WWEに次ぐIPOで本格的な海外戦略ははじまる。

東証 実質基準内容

  • 有価証券上場規程 第207条
    本則市場への新規上場申請が行われた株券等の上場審査は、新規上場申請者及びその企業グループに関する次の各号に掲げる事項について行うものとする。

    • (1)企業の継続性及び収益性
      継続的に事業を営み、かつ、安定的な収益基盤を有していること。
    • (2)企業経営の健全性
      事業を公正かつ忠実に遂行していること。
    • (3)企業のコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性
      コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制が適切に整備され、機能していること。
    • (4)企業内容等の開示の適正性
      企業内容等の開示を適正に行うことができる状況にあること。
    • (5)その他公益又は投資者保護の観点から当取引所が必要と認める事項
  • 出典:

    上場審査の基準~【IPOの基礎】

 

時は、来た。

歴史を変える瞬間は、すぐ近くにまで来ている。

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現代の『活字プロレス』について考えてみた

2016年の新日本プロレスから始まった僕のプロレス人生には、雑誌という意味での『活字プロレス』は存在していない。

『活字プロレス』は、日本のプロレスと共にある存在であり、一大ブームを作り上げて来たという。

『有田と週刊プロレスと』という番組が生まれるほどに、歴史と伝統のある文化だと僕は捉えている。

僕自身、とても残念なことながら当時の『週刊ファイト』、『週刊プロレス』、『週刊ゴング』については目を通すことができていない。

その歴史を振り返るブログや記事に目を通すことで、その過激さや中毒性について学んだ。

取材拒否を顧みないほどの勢い。編集長の顔が見える記事構成。現代で例えるなら文春と言ったところだろうか。

ここでは、現代の『活字プロレス』について考えてみたい。

時代の変化。インターネットの普及

メディアの力

2000年代以前は、雑誌を中心としたメディアが非常に大きな力を持っていた時代だった。メディアが報じることで注目が集まり、民衆を操作を一定の方向に操作する。クルマやマイホームなど、大人になった時の夢が皆一緒だっだのは、メディアによる力が強かったことが大きいと思う。

メディアが推せば民衆が動く。

シンプルで分かりやすく、大ヒットが生まれやすい時代だった。

月9神話やミリオンヒットを生むアーティストが大量に生まれた時代と言えば分かりやすいかもしれない。

情報革命の夜明け前。人は現代に比べれば余りに取得できる情報が少なかった。

インターネットの普及

雑誌を中心としたメディアは、インターネットという産業革命の前に大きな影響を受けた。

個人が配信できる時代になった今、メディアの力は従来ほどの勢いを無くしてしまった。

メディアが報じた情報よりも、当人が軽くツィートした方がSNS等での拡散力が強い。この事実が、メディアマンからある種の力を奪ってしまった。

情報を発信する上で何を言うか?よりも誰が言うか?が大切であるという点は変わっていないが、誰かの定義が変化してしまったのだ。

誰かはメディアではなく、“発信力”のある人になった。タレントや著名人よりも発言権のある者も台頭した。

そして、プロレスラー自身が個人で発信できる時代になった。

雑誌における活字プロレス

現在のプロレス誌に目を通すと、おおよそ以下の内容が並んでいる。

  • プロレスラーのインタビュー
  • 試合結果やレポート、スケジュールなど
  • コラムや連載

プロレスファンにとっては、十分な内容である。僕自身、ビッグマッチの時や特大号は購入し、目を通している。

ただし、活字プロレスと呼ばれた世界に存在したと言われている「問題提起」が無いのは事実だ。

当然、以前のように取材拒否を通達されると、現代社会ではSNSでの炎上にもつながる。

雑誌が売れない時代と言われて久しいが、ここに悪い燃料を投下する必要はない。

取材対象が納得するものを納得する内容で、正しく公平に報じる。これが今の雑誌が発信している『活字プロレス』だ。

決して間違っているとは思わない。特定の試合内容や発言を拾い、剣よりも強いペンで殴り付けるのは、是だとは思えない。

ただし、昔からのプロレスファンとしては、何か変化が欲しいと感じている方もいるのではないだろうか。

プロレスマスコミの力はまだまだこんなものじゃないと思う。

取材対象はレスラーだけじゃない

僕はレスラー以外の取材に挑戦してみたい。例えば、団体の交流戦は無くとも、企業のトップ同士が話すのは構わないだろう。

新日本プロレスCEO ハロルド・ジョージ・メイ氏とDDTプロレスリング社長 高木三四郎氏、DRAGON GATE社長 大島伸彦氏、オールジャパン・プロレスリング社長 秋山潤氏の4社対談など楽しそうだ。

テーマは2020年以降、日本のプロレスはどうなるのか?

新日本プロレスを中心にプロレスが再燃している今だからこそ、プロレスをビジネスとして手がけている代表者たちの話に目を通してみたい。

スケジュール調整は困難を極めるだろうが、僕は必ずこの企画が表紙を飾れば必ず購入する。

他にも、会社のWebチームや営業担当、リングアナにも話を聞きに行く。

試合以外でお客様との接点を作っているスタッフの話を盛り込むことで、違った角度からプロレスに興味を持つ方も出るだろう。プロレス業界で働きたいと思っている人からすれば、求人媒体としての価値だって出すことができる。

プ女子の方々と組んで2018年上半期、最も人気のあるプロレスTシャツを決めてみてもいいかもしれない。

着用写真をInstagramやTwitterに投稿すれば、Tシャツから団体のアピールにだってつながる。

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今も昔もこれからもフォーマットに関係なく、『活字プロレス』は可能性に満ちている。

現代の活字プロレス

活字プロレスとは何か。僕は、プロレスの楽しさを読者に伝えることだと思う。

現在の新日本プロレスファンは、試合をライブ配信でも見る。

新日本プロレスワールドやYouTube、Twitter。あらゆるサービスを通じて、実際に動いている姿を目にしている。また、試合のレポートもスマホサイトで更新されている。

スマホが一台あれば、プロレスと僕たちはつながることができる時代になったのだ。

新日本プロレスファンに限って言えば、5W1Hだけの『活字プロレス』は価値が薄いと思う。

そこで重要になるのが、選手のインタビューだ。

ただ、最近のプロレスラーはSNSでの発信にも力を入れている。

また、公式サイトでのインタビューや自身のブログもあり、直近の情報をなぞるだけではファンを満足させることはできない。

この話、読んだぞ?

公開されるタイミングによっては、そんなことも珍しくない状況になってしまうのだ。

選手やスタッフの想いをもう一歩踏み込んだ形で適切に届ける。これが現代のプロレスマスコミのミッションなのかもしれない。

僕の活字プロレス

僕のプロレスブログ『NJPW FUN』は完全な後発として生まれた。

ただ、始まって短い期間でも、楽しんで目を通して下さっている方々がいる。

非常に喜ばしいことであるし、プロレスに関する話題が求められているという事実がそこにはある。

個人のプロレスブログだからこそできること。それは、プロレスマスコミが報じないことを自由に書くとができることだろう思う。

雑誌と違い文字数の制限もない。ページ数の指定もない。

内容も分析や考察、試合の感想、妄想、愚痴。何でもあり。『活字プロレス』で場外乱闘をしているようだ。

僕は自分が筆を取りたいと思ったネタで、読者の方に届けたいと思ったことを書いている。

執筆に時間が掛かるものもあれば、すぐに書き終わって発信しているものもある。

文章の推敲だって最低限だし、誤字脱字もある(公開後によく修正している)。

ただ、文章の上手い下手よりも何かを伝えたい気持ちがこもった内容に人の感情は動くことを僕は知っている。

自分が見ている視点は自分だけのものであり、正解でもなんでもない。ただ、誰かに何かの気付きを提供したり、暇な時間を潰すことはできる。

プロレスが好きな方の隙間時間を僕の『活字プロレス』で埋めることができるのだ。

その結果、これからプロレスに興味を持つ方や僕と同じように最近ハマった方、長年プロレスと共に歩んで来た方、多くの方に少しでも楽しい時間を過ごして欲しいと思う。プロレスの試合の合間に、僕の『活字プロレス』を通じて。

現代の『活字プロレス』はインターネットの普及や業界構造の変化により、大きく変化した。

誰でも発信できる時代だからこそ、「言葉」に最大の配慮をしていきたい次第だ。

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帝王はきっと蘇る。『TAKAYAMANIA EMPIRE』は未来への第一歩だ

2018年8月31日(金)、午後の打ち合わせが終わった僕は水道橋へと移動した。後楽園ホールで行われる『TAKAYAMANIA』の建国に参加するために。

無事、当日券を先頭で手に入れることができた。だが、試合まではまだまだ時間がある。現在、試合前の串揚げ屋でこの記事を書いている。

試合のレポートは専門誌に上がると思うので、ここでは何を感じたか?という面で筆を進めていきたい。

高山選手と僕と彼女

2016年からプロレスにハマった僕は、高山善廣選手との関連性は薄い。新日本プロレスしか見ていないので、尚更だ。

歴史を学ぶに連れて、日本を代表する名レスラーであることは学んだ。中邑真輔選手との一戦で入った膝は、まさに凶器だった。

そして、事故についてもSNSを通じて知っていた。僕の“パレハ”があんな顔をしたのはあの日以来一度も見ていない。

ただ、高山選手については、2つ記憶に残っていることがある。

まずは、高山選手対ドン・フライの一戦だ。格闘技自体に興味が薄かった18歳の僕でもこの試合は知っていた。壮絶な魂のぶつかり合い。人も人が殴り合うというのは、こんなにも言葉にならない感情を生み出すのかと、絶句していた。

美しさと怖さ。

この2つが入り混じった死闘は今でも覚えている。

次に、高山選手が僕の当時付き合っていた最愛の女性の働いていたバリ式マッサージの店舗に度々来ていたということだ。

「金髪で大きくてカッコいいプロレスラーの人!今日も来たよ!」

「それだけじゃ分かんないよ(笑)名前は?」

「たかやまさん?」

「えっ!?すごいじゃん!あの高山さんでしょ!?握手してもらった!?」

「仕事中だからそんなお願いできないよ(笑)。気持ち良さそうにしてて、いつも寝ちゃうの。帰りもお礼言ってくれるんだ。でも、身体が大きいし、筋肉すごいからいつも大変で・・・」

こんな会話をしたことを今でも覚えている。

帝王は僕が知らないプロレス界を席巻していた。そして、愛していた女性の施術を受けていた。

そんな“帝王”の王国が建国するのだから、足を運ばない理由がなかった。

 

後楽園ホールにて

会場に到着後、グッズコーナーへ。

「高山選手への募金お願いします!」

気持ちのいい声が耳に届く。その道を歩きながら早速Tシャツを購入。

少し奥に進むと山崎一夫さんの姿が。ドキドキしつつ、募金すると山崎さんの方から握手をしてくれた。

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「NO FEARでお願いします」とご相談すると快く応じていただいた。

Tシャツを着替えて会場入り。プロレス見るならやっぱりプロレスTシャツを着る。

登山には登山靴を。式典には礼装を。プロレス観戦ならプロレスTシャツを。

僕が短いながらもプロレスを観戦する中でこだわっているポリシーだ。

永田裕志選手のマイク

高山選手プロデュースの興行はバランスの取れた試合が繰り広げられた。

永田裕志選手が試合後、マイクを手に取り、“帝王”へのメッセージを伝える。

視界がぐちゃぐちゃになって、この辺りは記憶が飛んでしまった。

休憩明けにはスタン・ハンセン、天龍源一郎、武藤敬司、小橋建太、安生洋二、宮戸優光、柿原賢人、山本喧一、丸藤正道、ヒデオ・イタミ、高田延彦から激励のムービーが。

歓声に包まれる会場に更なるビックサプライズが。

前田日明がリングに現れたのだ。

「プロレスラーの身体は、神経で動かすんじゃないんだよ。“魂”で動かすんだよ!」

同じUを背負った男の叫び。僕の感情が弾けた。

“帝王”は蘇る

メインイベントでは、鈴木みのる選手が「ゴッチ式パイルドライバー」でTAKAみちのく選手をマットに沈めた。

徹底的に技を受けたTAKA選手。高山選手が今、戦っている相手もこのように徹底的に痛めつけられているのだろう。

事実、回復の見込みがないとまで言われた症状が回復に向かっているという。

その報告は高山選手本人から行われた。

足の蹴る感覚が戻ってきたという。

奇跡なんかじゃない。“帝王”だからできた現実だ。

みのる選手がマイクを握り、会場全体がスタンディングで「NO FEAR」を絶唱し、『TAKAYAMANIA』は幕を閉じた。

高山選手の復帰を僕は心から願っている。

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映画『銀魂2』を観た方に新日本プロレスを、新日本プロレスファンに『銀魂2』をお勧めしたい〜プロレスは人生を豊かにするキッカケになるがオフシーズンにはロス現象が発生しストレスをためないように気を配るとそこでまたストレスがたまるので結局僕らにできるのは妄想しかない〜

昨日、映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』を見るために映画館へ足を運んだ。

漫画やアニメの実写化にあんまりいいイメージのなかった僕だか、福田雄一監督が作り出した『銀魂』には非常に感銘を受けていた。

感銘という言葉は少々高尚すぎるか。単純に面白かった。いや、とても面白かった。

僕と映画『銀魂』の出会いは突然だった。

先日、『有田と週刊プロレスと』を見直すため、Amazonプライムのアプリを起動すると、2017年に公開された映画『銀魂』があるではないか。

銀魂

銀魂

 

これはいつまで配信されているか分からない。とりあえず視聴してみたところ、開始5分で一気に引き込まれた

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短い時間で世界に引き込む

海外で映像コンテンツを作る際、日本とは少々毛色の違う作りをするらしい。

起承転結は物語の基本だが、この「起」で一気に盛り上がるシーンを挿入してくるらしい。

この視点を持って、『Netflix』オリジナル作品を観ると、1話の大半にこの法則が導入されていることが分かる。

映画『銀魂』も同様にある仕掛けが取り入れられていた。ネタバレは好みじゃないので、人生の貴重な5分間、300秒だけ映画『銀魂』に捧げて欲しい。

特に20代後半から30代には堪らないはずだ。

wwws.warnerbros.co.jp

笑って、泣いて、熱くなる

映画『銀魂2』は原作でも人気エピソードである「真選組動乱篇」を主軸に置いて物語が展開される。

このエピソードは喜怒哀楽すべてが詰まったエピソードだと僕は思っている。

ここでもネタバレは控えるが、土方十四郎役の柳楽優弥さんが素晴らしかった。『アオイホノオ』や『ゆとりですがなにか』などで素敵な演技をする方だと思っていたが、期待を超える名演を見せたように思う。彼を通じて、劇場全体が笑いに包まれ、涙を流し、熱くなった。

また、福田監督作品には欠かせない、佐藤二朗さんやムロツヨシさんの好演も光る。小栗旬さんや菅田将暉さん、橋本環奈さん、岡田将生さん、中村勘九郎さん、吉沢亮さんなどメイン役ほど出番はないが、短い時間で多くのインパクトを残している。

柳楽さんを含めた3人の演技で映画館は大いに沸いた。劇場全体が同時に爆笑する機会などなかなか味わえる経験ではない。広い空間で自分の感情を素直に表現できる。素晴らしいことではないか。

いや、僕はこの体験を知っている。そう、新日本プロレスの会場だ。

喜怒哀楽を表に出す

人は大人になると、感情表現が乏しくなりがちだ。理性が働き、素直に自分の本音を伝えられなくなる。

本当は腹が立っていても、そのまま伝えずに溜め込むケースもある。それが積もりに積もって爆発するからこそ、問題はさらにややこしくなる。

ケンカにケンカで返してもいけない。ただし、感情的な相手に正論をぶつけても水と油になってしまう。

だから本音よりも少し浅いところの感情で人は生きることを覚える。疲れ過ぎないために。

ただ、自分の素直な感情をさらけ出せる場所がある。

そう、プロレスだ。

現WWEの中邑真輔選手はプロレスの試合について、「フルチン」になると表現した。

心を裸にして感情を表現する。

SHINSUKE NAKAMURA USA DAYS

SHINSUKE NAKAMURA USA DAYS

 

そんなレスラーの“裸の魂”に心を震わせ、僕たちの普段閉じ込めている感情が表面化していく。

  • ヒールレスラーの暴挙にブーイングを送る
  • 推しのレスラーの入場で叫ぶ
  • コミカルな試合を見て笑う
  • 激しい戦いを見て感動し、涙する
  • 1.2.3!と絶唱し、試合の終わりを共にする

この全てに普段出てこない子供の頃に戻ったような感情が溢れ出る。

プロレス会場に来ている子供の顔を見ると、すごく楽しそうな顔をしている。その子供を連れている親御さんもイキイキとした顔をしている。上質なエンターテイメントは、人を素直にする力があるのだ。

全てが詰まっているのがプロレス

「プロレスにで熱くなるのは分かるけど、笑いと泣きの意味が分からない」

新日本プロレスを見たことがない人はきっとそう思うはずだ。

だが、現在のプロレスはエンターテイメントとしての高みに登っており、楽しみ方も無限大にある。

  • 新人のひたむきな姿を応援する
  • 少し先輩やベテランが登場し、会場の空気を作る
  • 個性派レスラーが登場し、それぞれの色を出す
  • メインではタイトルを掛けた熱い戦いが繰り広げられる

タイトルマッチが並ぶビックイベントを除けば、新日本プロレスはおおよそこの流れで試合が進んでいく。

約2時間以上、とても楽しい時間を過ごすことができる。

熱さあり、笑いあり、涙あり。

新日本プロレスファンには映画『銀魂2』を。『銀魂2』にハマった人には新日本プロレスをお勧めしたい。 

きっと、それぞれが楽しい時間を過ごせるはずだ。

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2018年8月のNJPW FUN

セミの鳴き声も大分静かになってきた。

2018年の8月も今日で終了。これからは秋、冬に差し掛かるシーズンとなってきた。

今年のイッテヨンが終わってからあっという間の時間だったように思う。

僕は2018年8月5日に本ブログを開設し、46本の記事を公開した。

これまで仕事では多くのインタビュー記事や企画記事を執筆してきたが、個人で発信するのはほぼ初に近い。こんなに多くの方が、媒体やインタビュアーの力を借りていない僕の文章に目を通してくれて大変嬉しく思う。

感謝の意味を込めて、毎月最終日には、振り返りの記事を公開していく。雑誌でいうところの編集後記と言ったところだ。

有名書籍をオマージュしたタイトルにしてみたが、そこはご愛嬌ということで。

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印象的な出来事

木谷高明さんのリツイート

ブシロード元社長である木谷さんからリツイートをいただいた時には大変驚いた。

 いつかこんな日が来れば嬉しいと思っていたが、開設後、いきなりのビッグサプライズに震えた僕は“パレハ”に連絡を入れていた。

少しのやり取りだったが、木谷さんがプロレスマスコミに対して、疑問を抱いていることが分かった。この点は、雑誌メーンの作り方から脱していないことに思う所があるのではないかと考えている。

活字プロレスは死んだのか。いや、僕がやっていることは、当時の活字プロレスとクオリティの差はあれ大きな違いは無いはずだ。

活字プロレスは死んでいない。この点は後日、執筆した記事を公開するので楽しみにしていただきたい。

ちなみに企業が運営しているWebのプロレスメディアでもっとも人気があるのはどこなのだろう。この点の競争を木谷さんは願っているのかもしれない。

『Twitter』フォロワー150人突破

おそらくプロレスファンだけで150人の方が僕のアカウントをフォローした。これは大変光栄なことである。

公式メディアではないので、僕のブログには一次情報は存在しない。

あくまでも考察や妄想がメーン。たまに速報も出しているが、事実を知るタイミングがマスと同時である。

そんな僕のブログを楽しいと言っていただけること。毎日のようにチェック下さっていること。大変嬉しく思う。

いや、嬉しいです。本当にありがとうございます。

今後取り組んでみたいこと

音声コンテンツ

極楽とんぼやくりぃむしちゅーのラジオを聴いて育った世代としては、音声コンテンツにも着手してみたいと思っている。

ブログを通じて知り合った方をゲストにお招きし、プロレス談義に花を咲かせる時間になればいいなと思っている。月に一度くらいのペースでできるよう、機材揃えるか検討中だ。

Twitterアカウント

これまでサイト名であるNJPW FUNだったが、アカウント名を管理人の名前に変えて広報アカウントとして、コミュニケーション量を増やした方がいいのかと考えている。

それに伴い、写真の変更も必要だ。松さんに発注したら、ご予算どれくらいで似顔絵を描いてくれるのだろうか。僕はクローズアップ現代で彼女の素顔を知って以来、大ファンである。

素顔でも別に構わないのだがこの点も考え中だ。

最後に

2018年9月からは『Road to DESTRUCTION』がはじまる。これからももっと、ブログを通じて新日本プロレスひいてはプロレスを盛り上げていきたい。

 

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Twitterでのいいねやリツイート本当にありがとうございます。反応のお陰でとりあえず一ヶ月更新を続けることができました。また、これからも皆さんのスキマ時間を埋められるようなコンテンツをだしていきますので、これからもよろしくお願いします。

2018年8月、応援いただきありがとうございました!

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ベルトさんの歴史を振り返ってみる

2017年10月に新日本プロレスへ電撃的な凱旋帰国を果たした髙橋ヒロム選手。

その海外遠征期間は過去最長。過酷な試練を自身に課し、「IWGPジュニアのベルト」が巻けると確信し、新日本プロレスに返ってきたという。

事実、2017年のイッテンヨンでは新日本ジュニアの象徴であるKUSHIDA選手からベルトを奪取。

IWGPジュニアのベルトを巻いて、IWGPヘビーに挑戦し、ゴールデンタイムで試合をするという、“広い夢”の実現に向け歩み出した。

凱旋帰国後のヒロム選手は新日本マットに新しい価値を生み出した。

危険を顧みないファイトスタイルは、新弟子時代に全然ダメだと言われていたことの裏返しであり、自分が生き残るための術だったように思う。

ダリルを連れての入場も大きな話題をさらった。

そして、僕が最も驚愕したのが“ベルトさん”との会話である。

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鮮烈のバックステージ

IWGPジュニアヘビー級ベルトを戴冠したヒロム選手。2017年3月のバックステージで信じられない行動に出た。

Road to SAKURA GENESIS 2017 2017年3月26日 東京・後楽園ホール 髙橋ヒロム 試合後コメント動画

「お前ら、ベルトさんだけを撮れ!」

何と、カメラを向けたIWGPジュニアヘビー級ベルトが喋り出したのだ。“ジュニア”だけに幼さの残る声色だ。

「僕はKUSHIDA選手が嫌いです」

4度も自分を腰に巻いた選手に対して、“ベルトさん”から出たのは、まさかの暴言。さらには当時のチャンピオンであるヒロム選手の応援をファンに訴えるなど、相思相愛っぷりが目立つ会見となった。

一体、“ベルトさん”はKUSHIDA選手の何が気に入らなかったのだろうか。

www.youtube.com

※久しぶりに見ても双方のギャップが素晴らしい煽り動画である。

これが本当のワンダーランド

2017年12月15日以降、更新がストップしてしまった『新日本プロレスワールド』の目玉コンテンツ『ワンダーランド』。

この2017年6月7日放送分で事件は起こった。

オリジナル ワンダーランド 2017年6月7日 ワンダーランド 出演:内藤哲也選手/髙橋ヒロム選手

覚えているだろうか。棚橋弘至選手が内藤哲也選手に向かって、「猿山の大将」と言い放った日のことを。

加えて、「猿感あるよ?」と罵られた髙橋ヒロム選手は悩んでしまい、猿になってしまった。

活字にしてみると、なんだこれは。と思う方もいるだろうが、未視聴の方は必ず視聴してほしい。僕は電車の中で爆笑するという失敗をしてしまったが。

続けよう。ここで再びベルトさんは口を開いた。そして、ここではインターコンチネンタルベルトさんも喋った。ちなみにインターコンチネンタルさんは女性だった。

ちなみにこの当時、ベルトを破壊するという暴挙に出ていた内藤哲也選手。同じユニットでも全くベルトに対する接し方が違うと話題になっていた。だが、この破壊行為自体を「気持ちいいけど誰も分かってくれないの」と、インターコンチネンタルさん自身が発言したことで、さらに物議が巻き起こった。あれから約1年。時間が経つのは早いものだ。

髙橋ヒロム選手に“制御不能”というアイデンティティを破壊され、下を向き顔を手で覆う内藤哲也選手人間は我慢の限界を超えて笑いを堪えると涙が出るということを教えてくれたテレビ朝日・野上慎平アナウンサー

この2人にとって忘れられない日になったに違いない。

いつか、バラエティ番組にヒロム選手が出演し、『Twitter』のトレンドを奪取する日が楽しみである。

長期海外遠征が決まった際、小島聡選手が寂しすぎてお酒を飲みすぎた。急性アルコール中毒で搬送されるほどに。

リングでもプライベートでも人を惹きつけてやまない人間力を持つ、ヒロム選手の魅力が詰まった問題回となった。

次の持ち主は誰だ!?

“ベルトさん”が久しぶりに登場したのは、IWGPジュニア王座を返上することが発表された以下の動画だ。

www.youtube.com

これから新日本ジュニアの至宝は群雄割拠の時代に入る。まずは、ウィル・オスプレイ選手、マーティ・スカル選手、KUSHIDA選手、BUSHI選手によるIWGPジュニアヘビー級王座決定トーナメントが開催される。

そして、新チャンピオンには、同トーナメントに納得していない挑戦者がこぞって現れるだろう。更には、新しいジュニア選手登場の噂もある。ネヴィルことPAC選手だ。

また、エル・デスペラード選手が初戴冠した時、“ベルトさん”は喋るのか。この点にも大きく期待したい。

更にIWGPジュニアが進化した2019年2月以降、満を持して1000%回復した髙橋ヒロム選手が帰ってくる。ヒロム選手が帰ってくる!

その日を楽しみに待ちたい。

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プロレストークはある?『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』が8月31日にもういっちよ集合

いやぁ、参ったね。

今回は直接的にプロレスとは関係のない話である。僕はプロレスに興味を持つ前から、プロレスの話を聞くのは好きだった。

その理由はこの番組にある。

『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』。

有田哲平さんが『有田と週刊プロレスと』のMCを務めているだけに、プロレスと言えば、有田さんのイメージは強い。

だが、ご存知だろうか。元々、プロレス狂だったのは上田晋也さんの方だったのだ。

f:id:yukikawano5963:20180830091143p:plain

もういっちよ集合

  • 燃える闘魂と書かれたハチマキ
  • しゃもじ

この2点が応援セットだったという。こんなエピソードがある。

会場にてアントニオ猪木さんが投げたタオルを上田さんがキャッチ。感動のあまり呆然としているところに橋本真也さんが現れ、「他の人に取られちゃうぞ?」と、言い腕にグルグル巻きにしてくれたそうだ。

上田さんは「アントニオ猪木さんのタオル(本物)」と書かれた紙を張り、自宅に飾っていたという。(本物)と書く辺りが可愛いではないか。

そんな番組が2018年8月31日の深夜1時。1年3ヶ月振りに帰ってくる。

 

お笑いラジオスターウィーク | オールナイトニッポン.com ラジオAM1242+FM93

まさに、時は来た。というところだろう。

映画ロッキーの撮影ばりに長蛇の列ができるほどの話題にしなければということで、僕も筆を取った次第だ。

以前の放送で昭和プロレスの話がはじまり、一時間半その話題で突っ走った過去のある番組だけに、何かがあるのではないかと期待している。

えー。ちょっとよかですか?

僕が『有田と週刊プロレスと』に未だ出演歴がない方で、最も登場して欲しいゲストは上田晋也さんだ。

 この2人がラジオで繰り広げてきたプロレストークは、まさに神のレベルだと今更ながらに思う。

お互いの知識量を図ることなく、舌戦というよりも熊本県立済々黌高等学校ラグビー部の部室のような雰囲気で語り合う2人。

例えば、初代タイガーマスクのライバルは?というお題に対して、真剣に悩み答える。

出した答えはこの2人。ダイナマイトキッドと小林邦昭さん。

有田さんと上田さんはお互いの回答が異なっても、それぞれの意見に対して「やっぱそっち?分かるわ〜」と、讃えあう。一体、この会話を何度してきたのだろう。

そう、何度話しても飽きないのがプロレスの魅力なのだ。ぜひ、興味と時間がある方は聞いてみていただきたい。

僕からは以上!

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なぜ、新日本プロレスはベビーフェイスとヒールの境界線が曖昧になったのか

ベビーフェイスとヒール。

メキシコではテクニコ、ルードと呼ばれる。

正義の味方が悪をやっつける。仮面ライダーや戦隊ヒーローが描く勧善懲悪の世界。

誰が見ても分かりやすく、感情移入がしやすい世界観だ。

ただ、近年の新日本マットを見てみるとベビーフェイスとヒールの境界線が曖昧になり、複雑化しているように思える。

例えば、現在の新日本プロレスを席巻するベビーフェイスでもヒールでもない“制御不能”なユニット『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』。その輝きは凄まじく、ユニット結成後は、飛ぶ鳥を落とす勢いでスターダムへと駆け上がった。

内藤哲也選手、EVIL選手、BUSHI選手、SANADA選手、髙橋ヒロム選手の5人の見た目は明らかにベビーフェイスのそれではない。

だが、結成当初こそ試合への介入やラフファイトが横行したが、最近では内藤哲也選手が唾を吐きかけることやEVIL選手のイス攻撃、BUSHI選手の毒霧を除き、クリーンなファイトへと変化した。2018年現在、彼らにブーイングを送る観客は一部を除いて存在しない。

ベビーフェイスでもヒールでもない存在。僕はこの存在をヒール2.0だと定義した。

ベビーフェイスとヒールの世界観から抜け出した新日本プロレスの世界。今回はプロレスの歴史を紐解きつつ、棚橋弘至選手がケニー・オメガ選手にイデオロギー抗争を仕掛けた理由について考察していきたい。

戦後の日本とベビーとヒールと

1950年代。敗戦後の日本には大きな反米感情があったという。僕のように今のプロレスしか見ていない人間には想像もできなかったことだが、当時のプロレスは、日本人対“ガイジン”の試合がメインイベントだった。

巨体の“ガイジン”が、日本人レスラーを追い詰める。

そこに観客はブーイングを送る。

「俺たちの英雄に何をするんだ!」と。

その声援を受け、日本人レスラーは起死回生の一撃を放ち逆転勝利を収める。

街頭テレビに映し出されるその光景に観客は心を震わせ、明日への活力を見出す。

その主役は日本のプロレス史にとって欠かすことがなできない力道山先生だった。

当時のプロレスは、勧善懲悪の世界でありベビーフェイスが絶対の支持を浴びていた。

日本人対決はタブーと言われた時代だった。

黒のカリスマがヒール2.0を生み出した

戦後の復興を経て、高度経済成長期へ。バブル経済が弾けた後には、勧善懲悪の世界観にも変化が生じてきた。

時は1990年代。

『スラムダンク』や 『幽☆遊☆白書』など、不良が中心となる漫画が増えた時代である。

明るくていい奴よりも、悪いやつの方がクールでカッコいい。

悪いけど優しいところに魅力を感じる。そんな新しい価値観が定着した頃に、新日本マットには“黒のカリスマ”が現れた。

闘魂三銃士の中で最も地味だと言われていた蝶野正洋選手が魅せた新しい姿は、民衆を惹きつけた。

nWo、nWo JAPAN、TEAM 2000。

これまでブーイングの対象であったヒールが、歓声を集める時代へ。

そして、タブーと言われていた日本人対決は当たり前の光景となっていた。蝶野正洋選手のライバルは同期の武藤敬司選手だった。

戦後の復興を乗り越えたプロレスは、隣のライバルに負けないという、日本の競争社会を象徴するものになった。

1990年から2000年代。新日本プロレスのマットのヒールは“ダークヒーロー”へと変貌を遂げた。ヒール2.0時代の到来だった。

 

ブーイングを浴びるベビーフェイス

“100年に1人の逸材”棚橋弘至選手は希代のベビーフェイスである。

長期海外遠征の経験の無い、完全純正培養。新日本プロレスを体現しているレスラーと言っても過言ではないだろう。

ただし、棚橋弘至選手はベビーフェイスでありながら、ある特徴を持っている。

声援とブーイング。両方を浴びることができるベビーフェイスであるということだ。

終生のライバルである中邑真輔選手から遅れること3年。2006年7月17日、棚橋弘至選手は3度目の挑戦にして悲願のIWGPヘビー級ベルトを戴冠した。

今では、試合後に誰しもが待ち望む言葉。心からの絶唱が誕生した瞬間である。

「愛してます」

涙ながらに訴えた彼を待っていたのは、ファンからの熱い声援ではなく、ブーイングだった。

“黒のカリスマ”が作った新たなプロレスの世界観は、ベビーフェイスであれば声援を浴びることができる価値観を壊した。

ベビーフェイスでもお客様を納得させなければ、価値を提供しなければ、愛されなければ観客を味方にできない時代になったのだ。

ダークヒーローよりもカッコいいヒーローでなければ認めることはできない。

この流れは2018年でも続いている。2017年、棚橋弘至選手が内藤哲也選手に挑戦した際、ブーイングを浴びたことからもそれは明らかだ。

キング・オブ・ストロングスタイル

その後、棚橋弘至選手は全力で愛を伝えた。真剣に愛を伝える彼の姿勢は、市民権を得た。

いつしか“キラー棚橋”という言葉が生まれたように、ベビーフェイスのままヒールのアクションを魅せる新しい一面も覗かせるようにもなった。

その一方で、もう1人のスーパースターが本当の意味で誕生した。現、WWE・中邑真輔選手だ。

“選ばれし神の子”の二つ名を背負い、IWGPヘビー級ベルトを最年少で戴冠。この記録は2018年現在も破られていない。

総合格闘技の世界でも頭角を現し、プロレスラーは強いという現実を守った。

だが、中邑真輔選手も観客から受け入れられたとは言い難い時期があった。

総合格闘技では相手に勝てても、プロレスの実力がそこに追いついていなかった、と本人は当時を振り返っている。

そんな彼の転機は2009の年メキシコ遠征だった。

当時のメキシコ人プロモーターは驚愕したらしい。「新日本プロレスの中邑真輔にオファーをしたら、全然違うレスラーが現れた」と。

そう、何かを変えるべく中邑真輔選手はクネクネとした動きを取り入れた。髪もモヒカンにした。

脱力をテーマに総合格闘技の世界で戦ったロックスターは、自分だからこそ辿り着ける境地を発見した。

中邑真輔選手はこの遠征以降、本格的なダークヒーローになったのだ。

2000年代後半の棚橋弘至選手と中邑真輔選手が紡いだストーリーは余りにも多い。

そして、2010年代頃には単純なベビーフェイスとヒールの時代は幕を降ろしていた。

格闘技ブームも落ち着き、プロレスはエンターテイメントとして本来の地位を取り戻しつつあった。

そして、ベビーフェイスとダークヒーロー(ヒール2.0)は更に新しい局面へと向かっていく。

制御されていた“星屑”と金の雨を降らす男の現実

内藤哲也選手とオカダ・カズチカ選手。

彼らがベビーでもダークヒーロー(ヒール2.0)でもない複雑な世界観を完成させたと僕は思っている。

この2人は新日本プロレスで初となるファン投票で2014年のイッテンヨン、メインイベントを逃した2人でもある。

2010年代の日本

2010代の日本はヒーローの定義自体を改めて考え出した時代である。

アニメ『ガッチャマンクラウズ』の主人公は、ヒーローに選ばれた後にも「ヒーローって何すかね?」と自分、周囲に問い続けた。

そもそもヒーローとは何か。ベビーフェイスとは何か。この命題に向き合い出した時代に内藤哲也選手とオカダ・カズチカ選手は台頭した。

強すぎる男

オカダ選手は凱旋帰国後、中邑真輔選手の記録には届かなかったものの、24歳でIWGPヘビー級王座に輝いた。

そんなシンデレラストリーに傷がついたのがファン投票だろう。新日本プロレスで最も権威のあるベルトの価値を自分が下げてしまったと、自責の念は大きかったに違いない。

それから4年。棚橋弘至選手、AJスタイルズ選手とベルト戦線を歩んできたオカダ選手は、絶対無欠のチャンピオンとなった。

だが、連勝を重ねるに連れ、強すぎるチャンプに届いたのは、凱旋帰国時のようなブーイングだった。

試合開始当初は挑戦者に歓声が集まる。

この事実についてオカダ選手は「自身が強すぎる」と語った。強すぎてブーイングが飛んでしまう。“ガイジン”ではなく、日本人がこの領域に達した瞬間だった。

2018年、特に印象に残った出来事がある。

2018年2月10日に行われたオカダ・カズチカ選手対SANADA選手のIWGPヘビー級タイトルマッチにてそれは起こった。

SANADA選手に勝利したオカダ選手へ会場から「帰れ!」という罵声が飛んだ。

「もう少ししたら帰るから、ちょっと待ってくれ!」と、涼しく切り返したオカダ選手だが、ベビーフェイスとヒールの構図が成立していないことを証明した事象だった。

ダークヒーローからヒーローに

オカダ・カズチカ選手は凱旋帰国時、間違いなくヒールだった。

茨の道を歩き栄冠を掴んだピープルズチャンプ棚橋弘至選手に、2012年のイッテンヨンで挑戦表明を行った時、東京ドームは大ブーイングに包まれた。

だが、前哨戦を経てタイトルマッチに勝利した瞬間にヒールからダークヒーローへと変貌を遂げようとしてした。

若く才能に溢れ、太々しい。マネージャーまで付けている新時代のダークヒーローは、ここから常にトップ戦線を走り続けた。

そして、ダークヒーロー(ヒール2.0)から自然とヒーロー(ベビーフェイス)になった。

2017年、本物から“超人”になった瞬間が、明確な分岐点だったように思う。

ただ、この変化は棚橋弘至選手が体感したベビーフェイスがブーイングを受ける世界観の中に入ることを意味していた。

次世代のエースはベビーフェイスの洗礼を受けた

2012年、オカダ選手は棚橋選手を破り、IWGPヘビー王座ベルトを戴冠した。

そこに挑戦表明したのが、本来次世代のエース候補と呼ばれていた内藤哲也選手だった。

内藤少年は武藤敬司選手に憧れ、新日本プロレスに憧れを持った。そして、棚橋選手のデビュー戦を見て、プロレスラーになることを決めた。

持ち前の運動神経とプロレスセンスで着実にトップ戦線に絡んでいたところを同部屋だった後輩に軽く抜き去られた。

この挑戦表明は、当然の結果だったのだろう。

タイトルマッチ当日、ダークヒーローとして完成していなかったオカダ選手とベビーフェイスの内藤選手の試合は、内藤選手に歓声が集まった。

だが、徐々にオカダ選手への声援が増える。

必殺の「レインメーカー」でタイトル防衛。その後のマイクで「気付くのが遅いよ!俺は本物だ!」と会場に向けて言い放った。

本物=ダークヒーロー(ヒール2.0)。

くしくも内藤選手がオカダ選手を本物にしてしまったのだ。

ここから内藤選手は膝の負傷により長期離脱。復帰後にG1クライマックスを制し、再度オカダ選手に挑戦した。この勝負にも敗れてしまった。

ダークヒーローよりもカッコいいヒーローでなければ認めることはできない。

ベビーフェイスとして歩んでいた内藤哲也選手はここから入場するだけで、ブーイングを浴びることになる。

最初は一部の観客がはじめたことだった。だが、それが広まっていった。

不甲斐ないヒーローに世間の目は冷たかった。

 

ベビーとヒールの狭間へ

2015年、失意の内藤哲也選手は第二の故郷とも言える、メキシコへと渡った。若手時代に長期海外遠征を経験した場所であり、自身が認められている国で何かを掴もうとした。

そこで、ラ・ソンブラ選手とルーシュ選手が結成していたテクニコでもルードでもないニュートラルなユニット、『ロス・インゴベルナブレス』に電撃加入を果たした。

“黒のカリスマ”が『nWo』でヒールからダークヒロー(ヒール2.0)に変貌を遂げたように、“制御不能のカリスマ”は『ロス・インゴベルナブレス』で、ベビーフェイスからダークヒーロー(ヒール2.0)への転身するキッカケを掴んだのだ。

標的は新日本プロレス

ダークヒーローとなった内藤選手は“パレハ”を集め、新日本マットを席巻していく。

標的はレスラーではなく、新日本プロレス。つまり、団体への批判であった。

会場で観戦しないオーナーを引きずり出し、棚橋選手の言うことだけを認めることを遮断した。その結果、異常なまでの民意を得た。

現在、新日本プロレスを観戦するために足を運ぶと、『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』のグッズを身につけたファンが大半である。

内藤「今日は日曜日? ドミンゴ? いや、CMLLはさ、毎週日曜日アレナメヒコで試合してんだよね。今日俺、てっきり朝起きた時、『あぁ、アレナメヒコ行かなきゃ』って思っちゃったよ。それぐらい俺、ちょっとメキシコの空気を吸い過ぎてまったかなと。あの空気が懐かしいなぁ、恋しいなぁ。俺はCHAOSではない。もちろんBULLET CLUBでもない。ましてや本隊でもない。俺の居場所は……ロス・インゴベルナブレス」 引用元:新日本プロレス公式HP

ベビーフェイスでもヒールでもない――。

現代の新日本プロレスマットを象徴する言葉を真っ先に取り入れた内藤選手。ファーストペンギンにこそ価値があることを、自身で証明した形となった。

一方で、2018年の内藤選手からは批判的なメッセージが鳴りを潜めている。ファミレスで時折発信はしているが、印象は薄いイメージだ。

ここから先に向けての準備期間か、ダークヒーローからの更なる脱皮を図るのか。内藤選手の中には、僕には想像も付かないマグマが蠢いている。

6つのキャラクターが群雄割拠するマット

現在の新日本マットでは、6つの個性が存在すると僕は思っている。

  • ベビーフェイス(純粋)
  • ベビーフェイス(ブーイングを浴びるベビー)
  • ヒール(純粋)
  • ヒール(まだ支持率の低いダークヒーロー)
  • ダークヒーロー(声援を集めるヒール)
  • ヤングライオン

本隊がベビーフェイス、各ユニットがヒールになるが、実際に思い浮かべてみると分かりやすいと思う。

ヤングライオンを除く、5つの個性を選手たちは往き来している。

例えるならば、純粋なベビーフェイスは田口隆祐選手や本間朋晃選手である。

純粋なヒールといえば『鈴木軍』が当てはまるが、2018年以降ダークヒーローへ進んだ印象がある。

鈴木みのる選手は“世界一性格の悪い男”から“プロレス王”へ。タイチ選手に飛ぶ声援は「レッツゴー!タイチ!」になった。

『BULLET CLUB ELITE』は『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』とは違った意味でのダークヒーロー集団である。

現在のヒール(純粋)には、『BULLET CLUB OG』が当てはまる。純粋なヒールとして躍進するのか、ダークヒーローへの道を歩むのだろうか。

矢野通の前に矢野通なし

『CAHOS』が非常に面白い。“混沌”の名前の通り、ヤングライオンを除く全ての個性を持った選手が集っている。

“崇高なる大泥棒”・“敏腕プロデューサー”矢野通選手は極悪ヒールから少しずつスタイルを変化させ、現在のコミカルなキャラクターに到達した。

相手が誰でれ「矢野通コール」が会場全体で巻き起こる。オカダ・カズチカ選手、ケニー・オメガ選手、棚橋弘至選手、内藤哲也選手の4強と試合をしても歓声を盗み取る。コーナーマットも盗み取る。スポンサー企業としてもバッチリ自社のロゴがカメラに映る。“敏腕プロデューサー”はクライアントにも、最高の時間を演出している。

プロレスラーは、それぞれ今の自分が最も輝けるポジションを探し、追求し続ける。だからこそ、歳を重ねる度に魅力が増すのだと思う。

イデオロギー抗争

“黒のカリスマ”が生み出したダークヒーロー(ヒール2.0)と“100年に1人の逸材”が歩んだブーイングを浴びるベビーフェイスは、ある意味で非常に近い場所に位置している。お互いに声援を集め、時にはブーイングを浴びるためだ。

ケニー・オメガ選手が相手では、本来ベビーフェイスである棚橋弘至選手にブーイングが集まる可能性も状況としては考えられる。

だからこそ、棚橋弘至選手は記者会見でこう語ったのだと考察する。

――現在のIWGPヘビー級チャンピオンであるケニー・オメガ選手に対しては、どう思っていますか?
棚橋 おお~…………。どう思ってるか!? もうちょっと(質問内容を)詳しく(聞かせて)。

――闘うことになったら?
棚橋 そうですね。まあ、ケニー・オメガ選手もチャンピオンとして、BULLET CLUBではあるけども大人気じゃないですか? (※左右の手を差し出し)そのケニーに対して、棚橋が何で向かって行くか!? “いいモン(いい者=ベビーフェイス)”と“いいモン”でやったら難しいんですよ。じゃあ何で対抗するかって言ったら、「俺はお前のプロレス好きじゃないよ」っていうイデオロギーで、対立構造を作るしかないかなと(思う)。運動能力も凄いし、日本語も上手にしゃべれるし、みんな好きなんだろうけど(苦笑)、俺は彼のプロレスはあまり好きじゃないので。そういうことですかね。 引用元:新日本プロレス公式HP

ブーイングを浴びるベビーフェイスとダークヒーローは似て非なる存在である。ただし、観客が観る目線はもはやベビーフェイス対ヒールとは異なる。

ドラマや大きな因縁がなければ対立構造が生まれないのだ。

オカダ対内藤にはドラマが存在した

2018年のイッテンヨン。メインイベントはオカダ選手対内藤選手だった。この時の対立構造は、絶対無敵のブーイングを浴びるベビーフェイスチャンピオンへ夢を叶えるために挑むダークヒーローだからこそ成立したのだ。2人は新弟子時代に同部屋であり、内藤選手から見たらジェラシーを感じざるを得ない存在だ。

そして、2014年のイッテンヨンでメインイベントから引きずり降ろされた2人が4年の月を経て、その時の再戦をするというドラマまで存在した。

これがブーイング浴びるベビーフェイスと歓声を集めるダークヒーローの集大成だったように思う。

ただし、この構図。このドラマは棚橋選手対ケニー選手には存在しない。

ベストバウト・マシンへの変貌

飯伏幸太選手との復縁。これこそが、ダークヒーローだった“ザ・クリーナー”を更に複雑な場所に連れて行った。

今のケニー・オメガ選手は非常にキャラクターが分かりにくい。ベビーでもヒールでもないのは間違いない。ただし、ブーイングを浴びる機会は極端に少ない。ダークヒーローではあるのだが、少々毛色の異なる選手へと進化を遂げる形となった。

いい意味で捉えると、ベストバウト・マシンは何時でもどこでもキャラクターを変化させることができる、最新型のダークヒーローと言ったところだろうか。

G1クライマックスの柴田勝頼

G1クライマックス28の優勝決定戦。対峙するレスラー双方にセコンドが付くという近年稀に観る景色があった。

棚橋弘至選手は柴田勝頼選手が。飯伏幸太選手にはケニー・オメガ選手がセコンドに付いた。

先程の6つにこの4人を当てはめてみよう。

  • 棚橋弘至選手(ブーイングを浴びるベビーフェイス)
  • 柴田勝頼選手(純粋なベビーフェイス)
  • 飯伏幸太選手(純粋なベビーフェイス)
  • ケニー・オメガ選手(ダークヒーロー)

あの瞬間の4人は新日本VSインディーという側面もあったが、ブーイングを浴びるベビーフェイスを純粋なベビーフェイスが応援し、純粋なベビーフェイスをダークヒーローが鼓舞する時間という見方もあったのだ。

その結果、純粋なベビーフェイスはブーイングを浴びるベビーフェイスに敗れた。だが、肩車でその勝利を祝った男こそが純粋なベビーフェイスであったことを忘れてはならない。純粋なベビーフェイスは死んでいない。

新世界の新日本の幕開け

ケニー選手へ「俺はお前のプロレス好きじゃないよ」と、棚橋選手はメッセージを送った。

自身が作ったブーイングを浴びるベビーフェイスと“黒のカリスマ”が作ったダークヒーローの闘いを分かりやすくするために。

G1クライマックス28の優勝が決まった表彰式で“黒のカリスマ”は、棚橋弘至選手を称えた。

今回のG1優勝で棚橋選手は、蝶野正洋選手が持つ優勝記録に2位タイと迫った。

『猪木問答』が起こった2002年2月1日、蝶野正洋選手はアントニオ猪木氏を呼び出し「俺はこのリングでプロレスがやりたいんですよ!」と叫んだ。若手だった棚橋弘至選手は「俺は!新日本のリングで!プロレスを!やります!」と高らかに宣言した。

ブーイングを浴びるベビーフェイスとダークヒーローは常に身近にあったのだ。

2018年現在、価値観の多様化が進み、プロレスの楽しみ方も大きく変化した。

“ベビーフェイスとヒール”という分かりやすい構図ではない世界観のプロレスを、今の僕たちは見ている。

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